幼児期の教育は環境を通して行う教育
子どもが自ら遊びたくなるような魅力ある環境、変化に富んだ環境を用意したいと思います。
セミを捕まえるんだとみんなで相談
自然は変化に富んで、子どもたちが自ら遊び出して行く魅力ある環境です。
大人に言われた指示をこなす受動的な体験ではなく、自ら環境に働きかけていく能動的な体験が必要です。
そのために効果的な環境の一つが自然環境だと思います。
それでは自然さえあればそれでいいのでしょうか。
最近では環境を用意しさえすればいいのではなく、そこにおける能動的な体験と肯定的な体験が必要だということが分かってきました。
つまりは、子どもたちの興味関心を肯定的に捉える大人の役割が必要なのです。
この写真の場面、もしも私が遠くから腕を組んで眉間にしわを寄せて見ていたとしたらどうでしょう。
近くにいても、(なにやってんの!)といった否定的な態度で傍観していたとしたらどうでしょう。
子どもが見ている物を見る。
子どもの関心に関心を持つ。
共感的態度が必要だとは誰もが知っていますが、具体的に出来ているかと言うと怪しいものです。
共感的態度とは、子どもが見ている物を見て、傍でにっこり微笑んだり、一緒に「すごーい」などと肯定的な雰囲気を形成することが必要です。
子どもたちのより良い育ち、学びのために、適切な環境を用意し、子どもたちにとって能動的で、肯定的な体験にしたいと思います。
能動的、肯定的な体験に
「探検に行こう!」
子どもたちの声を拾い、出来る限りこちらが主導となる活動ではなく、子どもたちの興味関心をサポートするような役割でありたいと思います。
ですから、ある子が「探検行きたい」とつぶやいた声を逃さず拾い、「じゃあ、みんな誘ってみよう」と声を掛けます。
8人と司副隊長で探検に出かけました。
「今、天狗がブーンって飛んで行った!」
「へー!本当!飛んで行った?」
「これ、カチカチだ!」
子どもたちはお話の世界、想像の世界が大好きです。
途中の木の切り株は『やまなしもぎ』に出てきたばあさまの腰かけていた切り株だということになりました。

「嘘ばっかり」「いいかげんなこと言って」などと言わないで、子どもたちの声を拾い、「へー、そうなんだ」「本当だね、ばあさまの切り株かもね」と返してあげることが肯定的な体験につながり、子どもたちの想像の世界をより豊かにしてくれます。
司さん、さよこさんと一緒に焚き火もしました。
枯れ枝を探しに行ってトランポリン。
自ら環境に働きかける、遊びは楽しいです。
楽しいということは教育的である
楽しければそれだけでいいわけではありませんが、少なくとも幼児期の教育は苦痛を伴う訓練ではなく、楽しい遊びを通した体験型学習が効果的であることは間違いありません。
なぜ自然環境がいいのか、どんな体験にしなければいけないか、大人の役割など、こうしたことを明らかにして、森のようちえんのような質の高い保育が広まることを期待しています。
来週もよろしくお願いします。
堀岡